3月のトピック ◆ 子どもの異文化・現地校不適応


異文化・現地校不適応の主な症状は?
日本人の子どもによく見られるのは、身体的症状(頭痛、腹痛、下痢・便秘、不眠、食欲減退または過食、疲労感の持続など)、気分的症状(イライラ、怒りっぽい、すぐ泣く、無気力、落ち込み、不安感など)、暴言・暴力、自殺念慮を含む抑うつ症状、注意・集中力の低下とそれに伴う成績低下、場面緘黙(ばめんかんもく=家では普通に話せるが、学校など特定の場所や場面で話せない)、教室に入れない、そして不登校などです。
言語はもちろん、授業の運営方法や生活習慣、コミュニケーションの取り方が日本とは違うアメリカの環境に適応するのは、容易ではありません。子どもの異文化・現地校不適応は、決して珍しいことではないのです。
どのような子どもに見られますか?
症状が起こりやすい子どもの特徴として、主に以下が挙げられます。▼頑張り屋でよくできる優等生タイプ、日本であまり挫折を経験していない▼完ぺき主義で、自分に対する要求レベルが高い▼感情的に繊細で傷つきやすい、不安を感じやすい▼感情や考え、要求などを口にしない▼プライドが高い▼融通がきかない▼学校以外にも、塾、習い事など、休みなくハードスケジュールをこなしている。
このような子どもたちは往々にして、朝から現地校で慣れない英語や生活習慣の中で神経を張りつめて過ごした後、家では現地校や補習校の宿題を全部終わらせようとして、毎晩遅くまで勉強しています。しかし、それだけ努力しても結果が伴わなければ、日本で優等生だった分、心に相当なダメージを受け、自信を喪失しがちです。
そのように精神的、肉体的に疲れきった状態で、親や教師から叱られる、あるいはアメリカ人の同級生から無視される、といった困難があると、それがきっかけで抑えていたものが爆発し、症状が一気に表れることがあります。
日米の文化的違いによる影響は?
多々ありますが、一つには、日米のコミュニケーションの違いによって問題が悪化することがあります。日本では自分のニーズをいちいち主張すると、わがままなどと否定的に見られがちですが、アメリカでは何か問題があるか、自分に必要なことがあれば、それを伝えるために自己主張するのが普通です。困ったことがあっても黙っていると、周りは「何も問題はない」と判断してしまいます。英語に不慣れな場合は特にですが、英語力が十分についてからでも、日本人にはそれらを伝えるのは難しいと言えます。
そのような場合は、教師やスクールカウンセラーに、日本人の子どもの特性を説明し、気をつけて声をかけてもらうようにします。それだけで、状況は随分改善することもあります。
※次回は、家庭でできる不適応の予防と対策について伺います。
