米国の教育行政は連邦政府でなく、各州に委ねられている。州教育省・教育委員会の下には郡教育局、その下に学校区がある。日本と異なり、学校区の裁量で決定できる範囲が広く、使用する教科書やカリキュラム、始業日、終業日、休日なども定められる。
小学校から高校までの学制についても、学校区ごとに異なるので、編転入の際には注意が必要だ。学期も2学期制のところと、3学期制のところがある。成績表をもらう時期も、学校区ごとに違っている。
また、ニューヨーク市には、私立の学校も数多くある。私立は学校区に縛られることなく自由に選べるうえ、校風や進学率の高さを誇るところも多い。ニューヨーク市内の私立学校の情報やアドバイスを得たい場合は、The Parents League of New York TEL: 212-737-7385 (www.parentsleague.org)で会員になると良い。また、ERBやISEEといった試験を入学条件にしている学校が多いが、これらの試験に関しては、The Educational Records Bureau (ERB) TEL: 1-800-989-3721(www.erbtest.org)に問い合わせよう。
なお、米国の義務教育は小学校1年生からではなく、幼稚園(kindergarten)から始まる。ニューヨーク州の学校区では、一般的に9月か、その年の12月までに5歳になっていれば、9月から幼稚園に入園できるが、きちんと各自で確認することが望ましい。
中学校の授業は、生徒ごとに異なる時間割に基づいて、受けることになる。出欠の確認や連絡事項の伝達は、毎朝のホームルームで行われる。 公立の場合、さまざまな能力の生徒が同じ学校で学ぶので、英語、数学、理科、社会の主要教科については、習熟度別のクラスが普通だ。 米国の教育現場では、学力に合わせた学習指導が原則で、飛び抜けて成績が良い場合には、州の基準よりも進んだ内容の授業が受けられる。反対に、学力が劣っていると判断された場合には、落第になることもある。 中学校の成績の段階(Grade)は、A・B・C・D・Fの5段階で評価され、F(Fail)は落第を意味する。なお、この5段階評価は絶対評価になっている。
米国の高校は大学と同様、完全な単位制となっているので、卒業に必要な単位を取得すれば、12年生修了前に卒業する、「繰り上げ卒業」も可能。学級も学年担任もなく、ホームルームがないので、学校からの連絡事項は、直接保護者宛てに郵送されたり、掲示板で告知される。 授業は各自の卒業後の進路に合わせて選択し、登録する仕組み。注意が必要なのは、高校卒業に必要な単位と、米国の大学進学に必要な単位が違っていることだ。大学によって、進学に必要な単位数や履修しておかなければならない科目が異なっているので、注意したい。履修については、各自が学校のアカデミック・カウンセラーと相談して決めることになっている。 高校では必要単位(必修・選択)の取得、最低基準以上の成績(GPA)の取得のほか、一部の学校区では、定められた時間以上のボランティア活動といった条件を満たすと、卒業証書が発行される。 なお、ニューヨーク州で公立高校を卒業するには、リージェンツ試験(Regents Exam)にパスしなければならない。卒業のレベルは、たとえば2008年に9年生になった生徒の場合、2段階に分かれており、基礎的なレベルの「リージェンツ・ディプロマ」、更に多くの科目を受ける、高度な「リージェンツ・ディプロマ・アドバンスト・デジグネーション」がある。基本的な試験科目としては、数学A、科学、英語、社会2科目が必須。これらの試験の合格点数は65点だ。試験は、一般的に1月、6月、8月に実施されている。試験に失敗した場合は、再度受けなければならない。なお、試験のサンプルやスケジュールといった一般情報は、www.emsc.nysed.gov/osa/のhigh school欄で、見ることができる。
