マンハッタンの西側にある空中庭園、ハイライン。
夕暮れ時の散歩を楽しむ人々が、西の空に向けて据えられた2台の天体望遠鏡の前で立ち止まり、望遠鏡をのぞき込んだり、話に興じている。その中心にいるアマチュア・アストロノマーズ・アソシエーション・オブ・ニューヨーク(AAA)会長、リッチ・ローゼンバーグさんがさまざまな質問に答えている。これは一般に向け、AAAが秋までの毎週火曜日、日没から閉鎖時刻の午後10時まで催している無料の天体観測イベント。
「マンハッタンの空は明るすぎて、星なんて見られないとみんな思っているけど、そんなことはないんだよ。星をつないで星座として見るのは確かに難しいけど、惑星や明るい二重星は見ることができる。ここでみんなが星を見て、リラックスして、楽しそうにしているのがうれしいね」とリッチさんは目を細める。
リッチさんは10年ほど前、仕事を引退したのを機にAAAに入会。それまでは時折思い出しては望遠鏡をのぞく程度の趣味だったが、入会以来、仲間たちと熱心に空を見上げるようになったという。会長となった今は、350人を数える会員を束ね、さまざまなイベントを積極的に催している。
30人ほどの人だかりをかき分けつつ、望遠鏡をのぞきこむと、リングつきの土星が見えて、「すごい、すごい」と思わず声を上げた。
8月終わりごろまで西の空では金星、火星、土星がくっきりと浮かび、それぞれ位置を変えながら交差していく様子を観察できる。昔習った「夏の大三角」(ベガ、アルタイル、デネブ)も、空の状態次第で見えるという。
高価な望遠鏡は必要ない、と言うリッチさん自身、この日は双眼鏡で観測を行っていた。設置された望遠鏡のうち一台は、GPS内蔵で見たい星を自動で補えてくれる優れもの、しかも安価。お金をかけなくても、専門的な知識がなくても天体観測は楽しめる。
AAAは、市内で一般向けにイベントを催しているほか、会員だけの集まりもあり、星を通じた交流を深めたい人にはおすすめ。
辺りが暗くなると、周囲に人が集まり、望遠鏡をのぞき込んだり、空を見上げて思い思いに話をしている。
「天体観測を楽しむのに、高価な望遠鏡はいらないよ」と語るAAA会長のリッチ・ローゼンバーグさん。
