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ニューヨークで奮闘する日本人たち。その新しい発想、夢に向かって走る姿は、私たちを常に刺激する。今、輝いている新人に熱い思いを語ってもらい、また推薦者からの応援メッセージも聞く。
——16歳でアメリカに留学されたそうですね。
日本でアメリカ人と結婚していた叔母が、家族でアメリカに移住することになり、私にも声を掛けてくれました。英語ができたら世界が広がり、大きな経験になると思い、思い切って飛び出しました。
でも高校生活は英語がネックで、アートのクラスが一番生き生きできる場所でした。そこから「アートっていいな」と。休暇で実家に帰国したときに、父親のキヤノンのフィルムカメラをもらって写真を撮り始めたのですが、アートのクラスに来た新しい先生が写真好きで、現像なども教えてもらって、どんどん写真に興味を持ちました。大学でも写真を専攻しました。
——その後、日本に帰国されたのですね?
高校からアメリカに10年いたので、日本人としての自分を改めて見つめる必要性を感じて、大学を卒業する頃に帰国しました。
でも、日本では仕事探しがうまくいかなくて落ち込みがちでした。写真雑誌を見て連絡を取ったアンディ・チャオという写真家から、「まず撮影スタジオで下積みを積んで写真の世界を見たほうがいい」と言われて、代官山スタジオで働いた後、フリーのアシスタントになりました。
——再来米の経緯は?
自分がやりたいことを自由にやっていくための、次のステップを考えた時、アメリカで挑戦したいと思いました。特に何回か訪れたニューヨークは、私がやりたいファッションや広告の仕事が多く、一流の技術に満ち溢れた場所であるという確信がありました。
来た当初は全く知り合いがいなかったので、クリエーティブな人たちが集まる会に顔を出し、トップで活躍する人たちと出会い、一緒にお仕事をさせていただく機会ができました。ニューヨークはワールドワイドな視野を持つ日本人が多いので、日米両方のマインドを持っている自分が、自分でいられる場所です。
——現在の仕事は?
日本のアパレルや、企業の仕事が多いです。クライアントに意見を聞かれて、そこから広げていく仕事も多いですね。
特に、撮影中に被写体と自分が「つながる」瞬間に、一番達成感を感じます。あるポートレートの撮影で、被写体が突然泣き出したことがあるんです。その時、レンズ越しに被写体と写真家が同じ雰囲気と感情を共有する、という感覚を覚えました。
——一番大変なことは?
自分でマネジメントしているので、クライアントとの報酬のやりとりが一番大変です。自分の写真にビジネスとして価値を付けるのは難しいですね。
——次の目標は何ですか?
エージェンシーに入りたいです。信頼度が上がり、来る仕事の大きさが全然違いますから。そして、まずは写真で自分の思い描くビジョンの所まで行き、将来的には日米の架け橋になるような仕事もやっていけたらと思っています。
竹内理奈さん
■東京都出身。
高校、大学をカリフォルニアで過ごし、2008年に帰国して代官山スタジオに3年勤務。
フリーランスのアシスタントを経て、17年に再来米。
Instagram: linatakefoto
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