この店の話題をひとくち

カウンターでおまかせコース 上品な仕立てのすしに舌鼓

新型コロナウイルス感染拡大で春先からずっと休業していた、アッパーウェストサイドのすし割烹(かっぽう)店が、このほど店内営業を再開した。席数を制限した白木のカウンターに座ると、目の前でベテランの日本人シェフが握ってくれる。彼と客の間は、透明なシールドで仕切られているが、しゃれたデザインなので会話もできるし違和感はない。

「Omakase($150/16 courses, $180/21 courses)」より、九州産のシマアジ。コースでは日本各地の特産魚介類を盛り込んでいる。シンプルで静ひつな店内で、つかの間の里帰り気分

新メニューは21品と16品の、おまかせすし割烹2コースのみ。「ヒラメの昆布締め土佐酢 ゼリーのせ」のような手間のかかった先付けに始まり、脂がのり切った中トロの「づけ」刺身でエンジンが掛かると、いよいよショーの始まり。真ダイ(愛媛)、サンマ(北海道)、真アジ(九州)、コハダ(千葉)、アオヤギ(米国)と選りすぐりの新鮮ネタを載せた握りずしの連打が続く。

いずれも楚々(そそ)とした作りの上品サイズ。竹田シェフ自慢の煮切りじょうゆの、ひと刷毛(はけ)だけでいただく。ネタごとに異なる食感と味わいは、産地への夢想をかき立てる。握りの幕間に登場する炊き寄せや椀物、焼き物は、経験豊富なシェフだけに仕立てが丁寧で品がいい。

完全予約制。時間は月〜土曜日は午後5時45分と8時、日曜日は午後5時30分と7時45分のみ受け付け

<店舗情報>

TAKEDA

566 Amsterdam Ave.
(bet. 87th & 88th Sts.)
TEL: 646-370-6965
takedanyc.com

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1255

夏の和野菜

盛夏のニューヨーク。色鮮やかな野菜たちが街中に溢れ、目を奪われるが、私たち在留邦人はどうしても和野菜が恋しい。実は、よく探せば、こんなアウェーな土地でも本格的な日本の野菜が手に入る。グリーンマーケットや野菜宅配サービスの賢い利用法など、今回の特集ではとっておきの和野菜情報をお届けする。