ドクターベルモンテが教えるウェルネス道

9月から始まる新学年 子供の成長期とカイロ

今月のテーマ:Back to School:子供とカイロプラクティック(Vol.20)

現代に生きる老若男女が健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。


そろそろ夏も終わり、9月から新学年が始まります。米国でいう「バック・トゥー・スクール」の季節です。子供の成長期におけるカイロプラクティックの導入について、今一度おさらいするいい時期になりました。

この連載を始めた頃にも書きましたが、昔米国では多くの幼稚園で、入園した園児はまず正しい座り方と姿勢を習い、背骨(脊柱)検査まで受けていたものです。いい時代もあったものだと思います。良い姿勢を、幼い頃から習慣づけることは、生涯のベネフィットという観点からもとても大事なことですが、子供の学業やスポーツでの集中力にも大いに影響するのです。

近年は、肩凝りや腰痛を訴える子供も増えているので、成長期の子供を持つ親御さんには、そんな子供たちの声にきちんと耳を傾けてほしいと、私は常日頃から口を酸っぱくして言い続けています。

「成長期の子供には、大人とは異なるテクニックでカイロプラクティック治療を施します」とベルモンテ先生

 

「痛い」を無視しない

というのも、親御さんから「子供が首や腰を痛がりますが、放っておけば治りますよね?」と質問のような、肯定を求めるような、微妙な口調でよく尋ねられます。答えは、放っておいていいはずがないのです。そもそも、「痛み」は普通ではないという認識を、まず持ってほしいと思います。子供が「痛い」というのを、様子見するのは危険です。

どこがどう痛むのか、どの専門医に相談すればいいのか分からなければ、主治医、またはカイロプラクターに相談することをお勧めします。カイロプラクティックでは、子供の体全体の成長バランスを確認し、必要に応じてメンテナンスを施します。痛みがある場合はその改善のため、痛みの根源を突き止め、包括的に治療します。局所的、部分的な対処では、短期的に痛みは消えても、子供が成長する過程で同じ問題に再度直面しかねないからです。

例えば、首の痛みや肩凝りの原因が、腰や背骨の異常にあるかもしれません。その場合、首や肩ばかりを部分的に治療していたのでは解決しません。また、その場凌ぎの治療を続けていると、大人になってからの「持病」に発展する可能性もあります。

カイロと子供の自信

さらに言うなら、子供が痛みを訴えていなくても、カイロプラクティックで体全体の成長バランスを確認することは、皆さんが思う以上に大事なことです。特に、急激に体が変化する10〜13歳児の、カイロプラクティックによる診察はとても意義があります。

このくらいの学年になると勉強の内容も難しくなり、同時に子供たちがさまざまなスポーツにも興味を持ち始めます。体に痛みがなく、良い姿勢を保てる健康体は、勉学での集中力も高くなり、成績も上がります。大好きなスポーツでは予防できるけがを予防し、パフォーマンスも上がります。つまりは文武両道で子供の自信に繋がるのです。

近年、パソコンやスマートフォンの長時間使用による首や肩の痛みもずいぶん増えました。正常な首の骨は、横から見て緩やかなカーブを描き、重い頭を柔らかく支えていますが、パソコンやスマートフォンを使っている時は、画面に向かって首をつき出しますね。そうすると、肩や背中の筋肉で頭を支えなければならず、当然ですが首や肩が痛くなります。

通学時に重いカバンを持ったり背負ったりすることも、体に偏った負担をかけます。かといって、カバンを持たずに通学というわけにもいきません。このような日常のちょっとした負担も、積み重なって痛みに変わります。

親御さんは子供の体調を日頃から観察し、子供が訴える痛みには耳を傾け、上手にカイロプラクティックを導入してもらえたらと願うばかりです。

 

 

 

 

 

ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC

E. 53 Wellness院長。
カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。
全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。
アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。

 

E. 53 Wellness
211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
e53wellnessnyc.com


今月の教訓!

「姿勢診断アプリで自分を知る」

当院では、「ポスチャースクリーン」という、カイロプラクター用のアプリを補佐的に使っています。患者さんの立ち姿を前後左右から撮影し、アプリにアップロードすると体の中心線(背骨)の歪み、頭部の傾き、腰や肩の左右のズレなどを、アプリが自動的に分析します。アプリの結果が全てではありませんが、補佐的な情報として見る分には興味深いものがあります。こういうアプリで、自分の体を客観的に知るのも悪いことではないですよ。

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