巻頭特集

さりげなく差をつける身だしなみ

髪の身だしなみ

アンケートでも「気になる」と答えていた人が多かった「髪」の身だしなみ。今回は、6年前からマンハッタンの日系理髪店「KIDA NYC」を妻の喜田めぐみさんと経営している、喜田信之介さんに話を伺った。

客の来店頻度は?

日本では、1カ月または2カ月に1回程度のペースで理髪店や美容室に行かれる人も多いと思いますが、ローカルのお客さまには、普段のカットに加え、ホリデー前やパーティー前だけでなく、ミーティングの前に来店する人もいます。

毎月、中には毎週来る人もいます。店ではポーションカット(サイドとバックのみのカット)があるのですが、1カ月に2回来店されて、1回はポーション、もう1回はフルカットと分けているお客さまも多いです。客層は場所柄、ローカルの人が圧倒的に多いですね。

開店のきっかけは?

元々、日本ではヘアメークが専門で、理髪師になったのはニューヨークに来てからです。フェード(グラデーション)の技術を使って、キレイかつ早く仕上げることを目指しています。

アメリカの理髪店は、バリカンを使うのが主流で、日本はハサミが主流です。以前勤めていた店で初めてバリカンでお客さまをカットした時は、とても緊張したのを覚えていますが、今は経験を積み、慣れたので、お客さまと会話をしながら、楽しくカットをしています。

うちの店は、手前が理髪店、奥がヘアサロンというユニークな作りになっています。ニューヨークで初の、日系理髪店だと自負しています。スタッフは日本人が主流ですが、ニューヨークで唯一の日本人女性理髪師や、メキシコ系理髪師もいたりと、どんなお客さまにも喜んでもらえるスタッフをそろえている自信があります。

喜田さんがこだわる身だしなみとは?

僕自身の身だしなみには、清潔に見えるようにするくらいで特にこだわりはありません。ですが、お客さまに対してはとことんこだわりますね。

男性のお客さまは、ヘアクリームなどのプロダクツを使わない人も多いので、例えば、サイドとバックはきれいに刈り上げて、トップはすっきりさせる。朝起きて、何も付けなくてもそのまま出掛けられる、自然かつ手軽なスタイルを心掛けています。忙しいニューヨーカーが、髪に費やす時間を極力減らすことが重要だと考えています

現在の予約状況は?

コロナ以前は、ウォークイン(飛び込み)のお客さまもたくさんいましたが、今はウェブサイトを通して予約をされるお客さまがほとんどですね。以前はヘアカットの予約は1人あたり30分で取っていましたが、今はカット後に消毒作業があるので、40分ごとで取っています。

ソーシャルディスタンスを保つために、スタッフの数も半分に減らして、普段の50%の人数しか入れないようにしていた他、今までは会社の昼休みや仕事後に来ていたお客さまが来なくなったりして、以前とは違う、ゆっくりしたペースで働いています。

これからは、感謝祭やクリスマス、ニューイヤーなどのイベント事が続いて、家族や友達と会う機会が増える時期ですから、駆け込みで来るお客さまで、本来は毎年とても忙しい時期です。今年は例年通りとはいきませんが、常連だけでなく、新規のお客さまも含め、たくさんのお客さまが来てくれればいいなと思っています。

 

客の髪質を生かしたスタイルを目指す喜田さん

 

ステーション(席)の壁にはこだわりのアートも

 

 

喜田さんと、同僚のファスティーノさん

 

KIDA NYC

<営業時間>
Mon-Fri: 9am-7pm
Sat-Sun: 10am-6pm
369 Broome St.
TEL: 212-219-0246
kidanyc.com

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