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ブルックリンのガイドブックの著者が、本で書ききれなかったことや、まだあるお気に入りスポットを紹介する当コラム。新型コロナウイルスによる経済活動再開後は「番外編」として状況をアップデートします。今週はプロスペクトハイツのブルックリン美術館です。
Brooklyn Museum(ブルックリン美術館)
新型コロナの影響で3月以降閉鎖していた、市内の美術館や博物館。市はこれまで慎重に再開日を検討してきましたが、9月に入り、次々に営業を再開しています。
「JR: Chronicles展」開催
ブルックリン美術館も6カ月の時を経て、9月12日にいよいよ再開の運びとなりました。初日は「Outdoor Reopening Celebration」と題したイベントを開催。スティールパン・パフォーマーのPan in Motionなどを迎え、地元の人々と共に盛大に再開を祝いました。
再開後の特別展示で私の興味を引いたのは、フランス人写真家&パブリックアーティスト、JRによる「JR: Chronicles」展です。JRは社会的弱者である貧困層の人々や移民、シニア層の一般市民などに焦点を当て、ポートレート写真を撮影して壁画にしたりしています。
その他、1000人以上のニューヨーカーを描いた、壮大な壁画「The Chronicles of New York City」も必見。人々が今でいう「密」状態でコラージュされ、それぞれの人生や物語を映し出した作品です。
米国とメキシコの国境で、共にピクニックを開催した作品や映像も興味深かったです。
新型コロナ対策で、タッチパネルはすべて排除されていますが、アプリをダウンロードすれば音声録音を聞くことができます(館内にQRコードあり)。
半年ぶりに再開したブルックリン美術館。2015年の登場以来、ブルックリン内を巡回しているパブリックアートの彫刻「OY/YO」(Deborah Kass作)が出迎えてくれる
芸術に触れる感謝
1、5階のみが再開中で、入場人数の管理も行っているので、館内は混んでいません。カフェはまだ閉鎖中ですが、UV‒C技術を導入した、99・9%殺菌可能な自動販売機「VICKI」があります(世界初の、自動小売セルフチェックアウトとのこと)。
密を避けるために時間制で発券されるので、チケットは必ず事前にオンラインで購入のこと。当然ですがマスク着用も忘れずに。
パンデミック以来、初めて文化的価値の高い場所に足を運びました。以前は当たり前にできた芸術への触れ合いが制限されたのは、かなりストレスでしたが、この「当たり前だったことをできること」への感謝の心が芽生えたのでした。
再開初日は「Outdoor Reopening Celebration」と題し、コミュニティー向けにさまざまなアートや音楽イベントを広場で無料開催した
ミュージアムショップにはトートバッグ(35ドル)など可愛いものが豊富。再開記念で全商品25%オフ
フランス人パブリックアーティストによる「JR: Chronicles」展は見応えあり
All Photos © Kasumi Abe
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