巻頭特集

寒い日にお家で食べたい袋麺はコレだ!!

寒くて長いニューヨークの冬は温かいスープと麺でも啜りたくなる季節 だ。しかし寒い時の外食は避けたいもの。そんな時は自宅で手頃に食べ られて身体を温められるインスタントラーメンはいかが?
今回は知られざるインスタント麺の誕生秘話からアレンジレシピまで紹介。 (文・取材/伏見真理子)

 


インスタントのラーメン誕生と進化

インスタントラーメンは 食糧不足から生まれた

今ではあって当たり前のインスタント麺。いつから食べられるようになったかというと、遡ること 65年前、第2次世界大戦後の日本は、食糧をはじめ多くの物資が不足しており、食環境は劣悪だったそうだ。しかしその中で、中華そばは安価でカロリーが高く、栄養が取れる食事として重宝されていた。

冬のある日、街角に立つラーメン屋台に行列を見た日清食品創業 者の安藤百福氏は、その光景を見て調理が簡単で美味しく、かつ安全なラーメンを作り、日本の人たちを活気づけたいと考えたそうだ。
簡単に調理でき長期間保存できる麺を作るために、乾燥させた麺にお湯を加えたらすぐに食べられるよう、
試行錯誤を重ねたが、原料の配合が難しく開発を断念しかけた時、あることに気づいたという。

 

天ぷら作りから得たヒントで成功

安藤氏の夫人が天ぷらを揚げている姿を見て、ヒントを得たんだとか。油の中に麺を入れると水分が抜け、それにより生じた穴にお湯が染み込むことで、やわらかな麺に戻ったのだ。
これが、インスタントラーメンの基本的な製法となったという。
そして遂に、1958年8月25日、日本初のインスタントラーメン「チキンラーメン」が発売された。

当時は1食35円とやや割高だったが、発売後すぐに大反響となり、販売店では品切れが続出した。
その後、さまざまなメーカーからもインスタントラーメンが発売され、ブームが巻き起こった。
そして現在に至るまでに、麺や味、具材など数多くの種類が生み出されて、今でもその進化は止まらない。

ますます多種多様化に

日本のインスタントラーメンメーカーが本格的に海外へ進出するようになった のは、66年頃。
当初は、海外に住む日本人がターゲットだったが、ベトナム戦争特需の影響で69年に輸出量が急増した。
輸出先も前年が 30カ国だったのに対し、この年には60カ国に倍増した。同時期に各国から要望 を受け、製造技術や設備を海外へ輸出するようにもなった。その後、海外進出が活発化し、メーカーの海外法人の設立も相次ぎ、進出先も米国、東南アジアをはじめヨーロッパ、南米、アフリカなど、全世界へと広がっていった。

 

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