巻頭特集

予備選は年明けにスタート!2024年大統領選挙を予習する

大統領予備選挙・候補者の顔ぶれ

バイデン、トランプの対決に決まった感があるが、両者以外で世論調査の支持率2、3位の候補者と政策を見てみよう。

<民主党 The Democrats>

12月11日時点での支持率

バイデン 65.8%

ウィリアムソン 7.6%

フィリップス 5.4%

出典: projects.fivethirtyeight.com

 

マリアンヌ・ウィリアムソン(Marianne Williamson)

フロリダ州知事/45

経歴:オプラ・ウインフリーのスピリチャルアドバイザーとしてテレビ番組『オプラショー』に出演し、一躍有名に。各種慈善団体を創設。貧困の長期的解決策を模索する非営利団体リザルツの理事。政治経験なし。

主な選挙戦ポリシー:中絶合法化を支持/2035年またはそれ以前に再生可能エネルギー100%を達成し、CO2排出量を劇的に削減/アサルトライフルと半自動小銃の販売排除、バンプストック(連射機能)、大容量弾倉、銃器の3Dプリントの禁止/娯楽および医療用大麻を合法化し前科を抹消/平和省の創設

ウクライナ戦争:バイデン政権の対応を支持

イスラエル・ハマス紛争:イスラエルによるガザ侵攻には反対

 

ディーン・フィリップス(Dean Phillips)

ミネソタ州下院議員、実業家/54

経歴:2019年から下院議員。家業のフィリップスディスティリングは米国最大級の酒類製造会社の1つ。同社の元CEOで、米国で最も売れているジェラート会社タレンティの元CEO。純資産は約1億2400万ドルで、最も裕福な下院議員の1人。一貫してバイデン大統領を支持してきたが、同大統領の年齢や支持率の低迷について懸念を表明、再選に批判的な立場に転じた。

主な選挙戦ポリシー:中絶合法化を支持/警察と救急隊員への資金を増加し、公共の安全を強化する/国境警備の強化と合法的な入国を求める人たちのための合理化された手続きを含む包括的な移民改革を支持

ウクライナ戦争:バイデン政権の対応を支持

イスラエル・ハマス紛争:イスラエル支援の継続を主張。ハマス撲滅

 


<共和党 The Republicans>

12月11日時点での支持率

トランプ 59.3%

デサンティス 12.6%

ヘイリー 11.6%

ラムズワミー 4.8%

クリスティ 2.8%

出典: projects.fivethirtyeight.com

 

ロン・デサンティス(Ron DeSantis)

フロリダ州知事/45

経歴:共和党の予備選候補者の中でも最右翼の強硬派。新型コロナウイルスのパンデミック時にいち早く学校を再開しロックダウンを解除、マスク着用およびワクチンの義務付けを禁止する措置を取るなどして右派から称賛を浴びる。地元民主党の検事からディズニーに至るまで政敵に対して行政権を幅広く行使。2013年から18年までフロリダ州下院議員。

主な選挙戦ポリシー:中絶禁止(妊娠6週、全米的には15週)/LGBTQの権利は断固反対/気候変動に適応するための努力は支持するが、防ぐための努力は支持せず/企業への税制優遇と規制撤廃、福祉プログラムに就労要件設定/国家非常事態を宣言し、南部国境により多くの資源を動員し「国境の壁」を建設する/ほとんどの銃規制に反対

ウクライナ戦争:「米国の重要な利益ではない」

イスラエル・ハマス紛争:「ハマスに対しては圧倒的な力で対応する義務がある」

 

ニッキー・ヘイリー(Nikki Haley)

元国連大使/51

経歴:サウスカロライナ州知事時代の2015年に同州議事堂の敷地から南軍旗の撤去を求めるなど共和党極右の主張を拒否するなどして党の「新星」として注目されたが、対トランプの態度が煮え切らないため党内での求心力が低下。議員の高齢化を背景に任期制限を支持し、75歳以上の政治家に精神能力テストを義務付けることをも提案。

主な選挙戦ポリシー:中絶禁止(妊娠15週)/トランスジェンダーの権利は女性への脅威/気候変動は認めるが、排出量削減のための政府の取り組みには否定的/社会保障やメディケアを含む大幅な削減/不法入国移民の雇用を防ぐため、企業に対して全国的なE-Verifyプログラムを義務付け、国境警備隊とICE捜査官を増員する/一部の犯罪者に銃の所持を禁止

ウクライナ戦争:政策を明確にせず

イスラエル・ハマス紛争:「イスラエルが望むものは『何でも』与える」

 


第3の党 Third Party>

ロバート・F・ケネディJr (Robert F. Kennedy Jr.)

環境弁護士、作家/69

経歴:ジョン・F・ケネディ元大統領の甥で、ロバート・F・ケネディ元司法長官(ともに暗殺され死去)の息子。ハドソン川の浄化に貢献した環境弁護士として、近年は反ワクチン活動家として注目される。代表を務める、非営利団体チルドレンズ・ヘルス・ディフェンスは、新型コロナウイルスに関する誤報を広めたとしてフェイスブックとインスタグラムから停止処分を受けた。

主な選挙戦ポリシー:政府が求める全ての人物や意見を抑圧する検閲産業複合体の解体/警察組織の変革/自閉症や慢性疾患対策を通じて子どもの健康を守る/人種間の癒しに取り組む

 

コーネル・ウエスト(Cornel West)

大学教授、社会活動家/72

経歴:イェール、プリンストン、ハーバード大学で教え、現在はユニオン神学校の哲学教授。オバマ前大統領を痛烈に批判するなど進歩的な活動家として知られる。

主な選挙戦ポリシー:全ての億万長者の持ち株と取引に富裕税を課す/全米で最低賃金27ドルを実施し、「連邦ユニバーサル・ベーシック・インカム委員会」を設立/連邦の土地と水域における全ての石油とガスのリース事業と破砕、炭素回収などの気候解決策の即時停止/中絶の権利を憲法に明記/製薬業界を含む医療業界の国有化

 

ジル・スタイン(Jill Stein)

医師、環境活動家/71

経歴:2大政党政治体制は「崩壊」しているとして出馬を宣言。2012年と16年の大統領選に緑の党から出馬。

主な選挙戦ポリシー:雇用、住宅、食料、医療、教育などの権利を含む「経済的権利章典」の制定/環境保護関連の仕事や産業、技術に大規模な投資をする「グリーンニューディール」の確立/女性、黒人・褐色人種、先住民、移民、障害者、LGBTQ、その他社会から疎外された人たちに対する制度的差別遺産を終わらせる/暴力、占領、アパルトヘイトに反対する外交、国際法、人権に基づく新しい外交政策の推進

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