巻頭特集

我らのドジャース

日本とドジャースとの繋がり

ブルックリン・ドジャースが初めて日本を訪れたのは1956年のこと。親善試合のために1カ月滞在し、黒人初のメジャーリーガーのジャッキー・ロビンソンもプレーし注目を集めた。これをきっかけにメジャーリーグは日本人からの人気を獲得。ロサンゼルスに移動したドジャースは66年、日本で2度目のツアーを行い、大変な盛り上がりを見せたそうだ。

実は日本とドジャースの橋渡しとして尽力した人物、故・アイク生原(生原昭宏)さんの存在を忘れてはならない。アイクさんは野球の指導法を学ぶため故・鈴木惣太郎氏(当時の巨人軍顧問)の紹介で65年に渡米し、ドジャースで球団職員として働いた。その後82年からド軍で長年オーナーを務めたウォルター・オマリー会長の息子、ピーター・オマリーさんの補佐(国際担当)として日米間の親善に尽くした。日本との強い関係があり、また日本で注目されていたからこそ、日本で人気があった野茂英雄と、ドジャースが契約を結ぶことができたのではないかと語られている。

故・アイク生原(生原昭宏)さん

 

ドジャースの歴代日本人選手9名

野茂英雄(投手) *メジャーリーグ史上初の日本人選手

【在籍期間】1995〜1998、2002〜2004

石井一久(投手)

【在籍期間】2002〜2004

木田優夫(投手)

【在籍期間】2003〜2004

中村紀洋(内野手)

【在籍期間】2005

斎藤隆(投手)

【在籍期間】2006〜2008

黒田博樹(投手)

【在籍期間】2008〜2011

前田健太(投手)

【在籍期間】2016〜2019

ダルビッシュ有(投手)

【在籍期間】2017

筒香嘉智(外野手・内野手)

【在籍期間】2021


<BOOK> ドジャースをもっと知りたい人に

同球団について書かれた本は山ほどあるが、本紙がおすすめするのは以下の2冊

『ドジャースの戦法』

アル・キャンパニス著/内村祐介訳/ベースボールマガジン社

ブルックリン・ドジャースの春キャンプ訓練係だったキャンパニスが当時のトレーニングメモを母体に著した1954年刊の名書。打撃力が乏しいチームでも守備を生かして勝ち抜くドジャース流の戦法がわかりやすく書かれている。日本でも翻訳された野球指導者のバイブル。

 

『The Last Good Season: Brooklyn, The Dodgers and Their Final Pennant Race Together』

By Michael Shapiro Double Day

P3で触れた著者はベテランジャーナリストでコロンビア大で教鞭をとる。生粋のブルックリンっ子であるシャピロ教授は膨大な資料に当たり当時を知る人々へ丹念なインタビューを重ね、ドジャースがブルックリンを去った「最後の年1956年」を再現。野球を軸とした社会史。


大谷選手&山本選手の注目の今シーズンは!?

エンゼルス所属の昨季は、投手として10勝を挙げ、また打者としては44本塁打を放ち日本人初の本塁打王に輝き、自身2度目のア・リーグ最優秀選手に選ばれるという華々しい活躍を見せた大谷翔平選手。昨年9月に受けた右肘の手術の影響で今季は打者に専念することとなるが、力強いバッティングで三冠王への期待が高まる。一方、開幕から先発ローテーション入りを果たしたMLB1年目の山本由伸選手は、デビュー戦こそ初回5失点と苦戦したが、得意の多彩な変化球を活かしたピッチングで2桁勝利と新人王獲得を期待したい。最強の日本人コンビがドジャースを優勝に導くカギとなることは間違いないだろう。

大谷翔平(投手)

【在籍期間】2024〜 【背番号】17

山本由伸(投手)

【在籍期間】2024〜 【背番号】18

 


ドジャースのNYでの試合日程

VS メッツ(シティーフィールド)

5月27日(月)午後4時10分〜

5月28日(火)午後7時10分〜

5月29日(水)午後8時10分〜

VS ヤンキース(ヤンキースタジアム)

6月7日(金)午後7時5分〜

6月8日(土)午後7時35分〜

6月9日(日)午後7時10分〜

 

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