日本語を学ぶ子どもたち みんなで楽しく上達

音楽講師の仮谷和紗(なぎさ)さんが、ブルックリン区ウィリアムズバーグで開催している「日本語クラス」。現在は、オンラインレッスンが行われている。

「私は子どもの頃、勉強が嫌いだったので(笑)、読み書きの他に、日本の四季にちなんだテーマの読み聞かせやパズルなどを取り入れて、子どもが楽しく学べるように心掛けています」となぎさ先生はほほ笑む。

この日はレベルの違う3人の生徒が参加。ひらがな、カタカナ、漢字と自分のレベルの学習を行っている。指が止まっている子には、「どこができない? あー、おしい、ルとレが反対になってる」とヒントを与えたり、「だいぶ忘れてるから、頑張って」と声を掛ける。

子供の日本語をキープしたいという保護者の願いに応えたクラス。ブルックリンの同クラスを現在オンラインで実施している

「じゃあ次いくよ。朝起きたら、どういうお返事する?」との先生の質問に、「おはようございます!」と元気に答える生徒たち。「じゃあ、それを書いてください」と、必ず書いて覚えさせる。「いただきます」「こんにちは」「ただいま」など日常よく使う用語を覚えて、その言葉が正確に書けるように指導する。

しっかり頭を使った後は、みんなで手振りを付けながら「やきいものうた」を歌ってリラックス。音楽講師のなぎさ先生は授業にも必ず音楽を取り入れているという。

秋にちなんだ絵本をめくりながら、「この葉っぱ、なんだか知ってる?」「メイプル?」「そう、でも日本語では?」「もみじ」「ピンポーン!」と、生徒たちとのやり取りが続く。赤トンボ、キノコ、サンマなど秋のものを覚えて、それを色鉛筆で描いていく。その後は、クロスワードパズルや読み聞かせの時間へと続いて、クラスは終了した。

昨年3月、ひなまつりのときの生徒たち(2019年撮影)

こころちゃん(8歳)の母親の南梨世さんは、現地在住27年。「娘はクラスに参加して5年ですが、歌や折り紙をしながら楽しく学んで日本語が上達しているので助かっています。特に、他の子どもたちと一緒に学ぶのが楽しいようです。オンラインクラスは話している生徒にカメラがフォーカスするので、集中できているようです」と話す。

参加して3年になる舞夏(8歳)ちゃんの母親の中井真生さんは、「娘が苦にならないで日本語が学べたらと思っていた時に、皆でクラフトなどをやっていて楽しいクラスだと聞いて参加しました。先生は気さくに子どもたちに接してくれて、先生というよりお姉ちゃんみたいですばらしいです」とほほ笑む。

ストラッツ ・レイラちゃん(7歳)の母親の八木澤享代(みちよ)さんは、「パパがドイツ人なので家では英語になってしまうため、娘に日本語を身に付けさせたくて参加しました。日本語を学ぶのは大変そうですが、日本にいる家族と話すことを目標に勉強しているようです」と目を細める。

楽しく日本語を身に付けていく子どもたちの成長を、なぎさ先生とママたちは暖かく見守っている。

オンラインクラスは少人数制「集中できる」と好評

今週の先生
仮谷和紗(なぎさ)さん

クラスではいかに楽しく学ぶかを大切にしています。子どもの日本語をキープしたいという親御さんの願いに応えつつ、生徒のやる気を引き出し、一人ひとりの個性を生かした授業を行っています。その他のオンラインクラスも続けていますので、お気軽にご参加下さい。日本語クラス、リトミックの他に、ピアノと歌の個人レッスンも行っています。

Nagisa’s Japanese class

オンラインによる「日本語レッスン」は、毎週木曜午後6時半〜8時開催。
リトミックは毎週月・金の午後6時半もしくは7時〜開催。
対象年齢などは問い合わせを。
【問い合わせ】
japanesesingalong39@yahoo.comnagislullabies.com

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1255

夏の和野菜

盛夏のニューヨーク。色鮮やかな野菜たちが街中に溢れ、目を奪われるが、私たち在留邦人はどうしても和野菜が恋しい。実は、よく探せば、こんなアウェーな土地でも本格的な日本の野菜が手に入る。グリーンマーケットや野菜宅配サービスの賢い利用法など、今回の特集ではとっておきの和野菜情報をお届けする。